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2004年 7月14日(水)

選手会の爆弾 

 今回はサラリーキャップ制度について考えていきたいと思います。

 7月10日に労働組合・プロ野球選手会から決議という名の提案が行われましたが、従来からの労対窓口である12球団代表者会議は、7月10日の協議では、選手会の要求を全て拒否する方向で協議が進んでいるようです。

 具体的な選手会からの提案内容としては
1.合併の1年間凍結 2.野球協約に定める特別委員会の開催 3.ストの可能性 4.年俸高騰に対する対応の提案(Luxury Taxの導入、高額年俸選手についての減額制限の緩和) 5.経営の透明化とチェック機関の導入 6.「合併問題検討委員会」の設置
 が提案されました。

 しかし、選手会に対するに対する社会の声にも厳しいものがあり、現状の提案をもとにしてストライキを行ってもファンの全面的な理解が得られるかどうかは微妙なところです。
 そこで、選手会が選手自体の痛みを伴う「サラリーキャップ制度」の導入を提案すればどうでしょうか。労働組合が、厳しい球団経営に理解を示し、雇用の安定のために自らの昇給に歯止めをかける制度を提案すれば、球団経営者からも一定の譲歩を勝ち取れるはずですし、ファンや関係者からも今以上の支持が獲得できるはずです。当然、球界の収入構造を変革する契機にもなるはずですし(テレビ放映権料の問題とか)、球団経営の収支もガラス張りにならざるを得ません(キャップの基になる収入を明らかにしなければなりませんから)。こんな制度の導入を提案してみてはどうでしょうか?

 さて仮に、今シーズンのプロ野球でサラリーキャップ制度が実施されていたなら、どんな影響があるのでしょうか。
 以前の記事で触れましたが、現在のすくなくとも球団総収入は750億円(セ・550億円、パ・200億円)以上はあるのではないかと考えています。(1説によると1100億円)一球団の運営経費が60億円程度と単純に考えると、セ・190億円プラス、パ・160億円の赤字という計算ですからつじつまは合うと思います。(注、球界全体としての収支は、黒字になっているか(巨人の経費しだいなのですが)赤字でもさほど大きなものにはなっていないと思われます。)
 逆に今年の選手年俸の12球団合計が283億7千万円、去年のルーキーの契約金が51億円。双方を合計すると発表されている人件費の合計は約335億円になります。(表にでないお金もあるのでしょうが)
 仮に50%(NBA48%、NFL63%)のサラリーキャップが実施されたとして、収入750億円の50%ですから375億円が選手給与の上限となるわけですが、現状の人件費が335億円ですから、まだ40億円の余裕があるわけです。ということは選手の給与水準は現状より下がることはありませんから、雇用の問題を考えあわせれば、選手の同意も得られるのではないでしょうか。
 これを12球団に割り振ると、1球団のサラリーキャップは31億円強になりますから、去年の費用だと巨人・中日以外の球団はほぼクリアできます。(巨人が14億オーバー、中日が5億弱オーバー)中日は、新人の契約金が他球団より3億円程度高かったため、同程度の年俸のチームに対して人件費が大きくなっているだけですから、この制度は巨人を除く11球団のオーナーからは同意が得られると思います。このことを契機にして、利権の再配分を行えば(セ・パ交流戦の実施、放映権料の平等分配)、2リーグ12球団が存続できるのではないでしょうか?

 ご意見お待ちしております。

 参考までに
 NFLではリーグ総収入(プレシーズン、レギュラーシーズン、ポストシーズンでの入場料収入、全国放送のテレビとラジオの放送権料、マーチャンダイズ収入)の63%、NBAではBRI(プレシーズン、レギュラーシーズン、プレイオフ、オールスター等試合の入場料、アリーナの飲食代、駐車場代、様々なグッズの収益、TV放映権料など)の48.04%が選手の給与として使用できる最大の金額と定められています。

関連過去記事
昨今の球界再編問題について
なぜ赤字なんだろう
NBAのシステム

Posted by Copland at 2004年07月14日 15:39 | TrackBack(2)
コメント

毎回Copland様のすばらしい考察にただ感心するばかりです。
球団の経営圧迫は、選手の年俸高騰にあるのも要因。こう言った選手の痛みも当然必要ですね。
根本的な球団経営の問題点をひとつひとつ潰さない限り、どんな形のプロ野球になっても同じことの繰り返し。古田選手や星野氏が言うとおり、あらゆる議論が必要ですね。
急な球界再編も、オーナーからの反論が出てくるようになりました。展開がよくなりそうな雰囲気も・・・。
将来、今の時期を振り返った時、みんなが球界の問題点を考えるいい機会だったとなればいいのですが。

Posted by: ずたたん at 2004年 7月15日(木)

ずたたんさま

 まだまだ、難しい点が多いものの、きちんと議論をしていこうという雰囲気ができつつあるのはよいことだと思っています。
 少しでも前向きな話しが聞こえてくることを祈っています。

Posted by: copland at 2004年 7月15日(木)
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このリストは以下の記事を参照しています: 「選手会の爆弾」 from On The Road.
京都総評が渡辺オーナーに対し発言撤回と謝罪要求(サンスポ)
Excerpt: 京都総評がナベツネに「たかが選手」発言で申し入れを行ったという記事です。 選手
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